serious bunburying

隕石で手をあたためていましたがこぼれてしまうこれはなんなの

long

不在が存在よりも濃い気配を作る という一節が小説で出て来たのですが、いまのあなたは私にとって、まさにそれです。一緒にいると安心して眠くなってしまって、存在を味わうというよりただ感じるといった方が近いのですが、いないと猛烈に寂しくて、何をするにも、ここにあなたがいたら…と考えてしまいます。ずっと四六時中べったりしていたい訳じゃないんです。あなたとバイバイした直後はむしろ心地よい満足感に包まれて、「これでしばらくは1人でも平気だ」などと思うのですが、24時間経たないうちにあなたで頭が埋め尽くされてしまいます。これは束縛よりも恐ろしいです。束縛されている状態なら、まだ恋人より自分はマトモだと思えるのに、自然と頭がいっぱいになってしまう状態はそれを許さないので。


マトモじゃないのかもしれないという考えは私をおかしな行動に駆り立てます。いや、言ってしまえば昇華なのですが、面倒くさがりの自分が掃除や料理に精を出したり、運動が好きじゃない自分がランニングや筋トレにいそしんだり、この間なんて、何を血迷ったのかファイナンシャルプランナー検定の勉強をしたり、秘書検定にまで手を出したり。ただあなたの恋人としての私に傾きすぎたバランスを個人としての私へと戻そうとしてるのかもしれません。勉強や料理や運動は1人でもできるから。


もとは寂しさが理由で始めた1人の時間ですが、案外私はこれを気に入っています。でも、あなたと会う時間はもっと好きです。だから、私はあなたと会ったことで二度美味しい思いができるわけです。そして、(あなたにとっては良いことに?)どちらの時間においても私の心は、あなたのものです。寂しさとか独占欲は悪いものとして語られがちだけど、そうとは限らないと、あなたと付き合って気づきました。もちろん、朝、隣にあなたがいなくて、寂しくて心がぐしゃぐしゃになるときもあります。そんなときは、椎名林檎の「人生は夢だらけ」の「あの人に愛してもらえない今日を 正面切って進もうにも 難しいがしかし」というフレーズが浮かんで、起きたてのがらがらの声で口ずさみます。
しかし、のあとに
「実感したいです 喉元過ぎれば ほら酸いも甘いもどっちもおいしいと」と歌詞が続きます。


どっちもおいしい。たしかにすぎてしまえば美しい思い出になりますが、今しか生きる能がない私はよく拗ねたりします。会いたい会いたい、と連呼してしまいます。もしかしたら困らせてるかもしれませんね。ですが、いつもそこであなたが優しい言葉をくれるのですごく満足してしまいます。不服ですが、単純なので…。私の良いところの1つに単純さがあるというのも、あなたから学んだことです。


一方で、このあいだ知り合いと話をしていたのですが、あなたはとても繊細だな、と感じることがあります。外から見ると豪快だけど、繊細なあなたが私は大好きです。多面体みたいな人になりたい、という目標が私にはあるのですが、これは具体的にいうとあなたみたいな人です。自分で自分がわからない、それが悩みだ、といつか話してくれたけど、私はそのまま、わからないままでいてほしいな、と思います。知らない部分があるって、掴みにくくてしんどいけど、素敵です。


色んな人から「お前だけは自分のことをわかっている」と言われがちなあなたですが(それをあなた自身はあまり好ましく思っていないらしいのも知っていますが)、それも多面体だからなせる技というか。多面体・◯◯と呼びましょうか。なんだかかっこよくないですか。…人に合わせた対応ができるってその人に対して一定の愛、言い換えれば、思いやりがないとできないと思います。だから、あなたの周りには愛が溢れているのかな、と思います。お父さん、お母さん、地元の友達、サークルの人たち、私が会ったことのあるあなたの交友範囲はそんなものですが、あなたはとても愛されているな、と思います。あなたを取り囲む空気は優しい気がします。たくさんの人に愛されて、これからも幸せでいてください。そのうち私が愛した期間が一番長くなるといいな、と目論んでいます。
とてもとても長くなりましたが、お誕生日、おめでとうございます。


愛しています。