Serious Bunburying

隕石で手をあたためていましたがこぼれてしまうこれはなんなの

貞操観念

 

貞操観念:女性が、異性関係について純潔を守ろうという考えのことを幅広く指す表現。

 

私の周りの友人は、割と貞操観念に対してゆるい人が多い。若いうちは遊んどけ、という考え方の女友達。私自身も社会の暗黙のルールで自分の行動が縛られるのは好きではないのでその考え方に賛同していた。

 

だから、彼氏がいないときもむしろ「遊べるならいいじゃん、楽じゃん」というスタンスで、恋人がいる人に何かしらの僻みを抱くことはなかった。

 

最近恋人ができた。

恋人がもし私のせいで縛られるなら可哀想だなぁと思い、なんの気無しに「別に風俗に行ったって構わないですよ」と言ったらひどく驚かれた。友人にそのエピソードを話したら恋人と同じ反応をされて、今度はこちらが驚いた。

 

私は男性ウケするような巨乳でもないし、もしそれで彼の性的な欲求に応えられないなら、彼がお金を払って然るべきところでその欲求を発散すべきだと考えていた。とても合理的な考え方だと思うのに、何がおかしいのだろう。

 

彼からそれじゃあ、と「じゃあ、キスは?」と聞かれたときは何だか嫌だと思った。嫌です、と答えたらやっぱりおかしいと言われた。

 

なんで私、彼が他の人とキスをするのは嫌なんだろう。

下半身は良いけど上半身はダメということなのか?

男性=性器そのもので、どの男の人も頭の中は結局ヤリたい、と結びついていると思っている。それは、前の恋人だったり、読んだ本の影響から作られた思想。

つまり、私の中で本能と結びつくのは下半身。だから下半身については一種の諦めのようなものがあって、本能でどうしようもない部分なら無理に制限はしないし出来ないという考えに至ったのだと思う。

 

今の恋人と付き合っていて一番わからないのはそこだ。

「セックスって、挿入だけじゃないじゃん。イチャイチャもセックスでしょ?俺はそっちが好きだし」

と言われたときには天地がひっくり返るような思いだった。この人男なのか?と。いや、男だけど。ちょっと泣きそうになった。当時、挿入がうまくできなかったから気を遣って発された言葉だったのかもしれないけど、単純に嬉しかった。

 

少し話が逸れるが、この間サークルの合宿があった。夜はコンパがあり、酒に酔いやすい私と同期で同じく恋人がいる私の男友達はあっけなく酔った。

お互い恋人がいるし限度をわきまえた上で戯れていた…はたからみたらイチャイチャしてるように見えたのかもしれないけど、私たちにとっては動物のじゃれあいのようなことをしていた。あとで写真を見返してこれはマズイな、と思い恋人に謝った。そのときは特に咎められることもなかった。けど、後になってあれは強がりだったのではないかと思う。

 

昨日、彼のお家に泊まって夜キスをし終わったあとに、「今だけは俺に独占させて」と言われたのだ。それを聞いた瞬間なんだか胸がキューっとなった。あぁ、やっぱり強がりだったんじゃないか。と。そのあとも「○○(私)が死んだらどうしたらいいのかわかんない」と言われたり、映画の「この世界の片隅で」をみ終わった後に「あの旦那さんの気持ちは分かるな、お嫁さんを一人で独占はできないっていう諦めみたいな気持ち…」と話していて、もうひどくいじらしく感じてしまった。

 

今までなら執着が怖くて、付き合っていてもある意味での自由さを理想としていたのに、彼を傷つけたくないという気持ちの方が強くなっている。彼を不安にさせるくらいなら自由なんていらない、と。

 

恋人関係は結婚とは違って何の保証もないから、ないからこそ、お互いがお互いに誠実であること以外に信頼を築く術がないのかもしれない。人間関係というものは株価より変動が早い。恋人との関係性はさまざまな形があるとは思うけど、何よりお互いを必要以上に不安にさせないのが今唯一すべきことなんじゃないかなと思う。恋人って、一緒にいて楽しいからいるものだ。お互いふりまわされるのは嫌に決まっている。